職員インタビューから見る「府中市のリアル -公共交通の最前線-」
「正解は年々変わる」 公共交通の最前線で、市民の足を守り続ける
府中市職員として、地域公共交通の仕事に携わる小池さん。前職は地元の信用組合で営業を担当していたという経歴の持ち主です。市民の「移動」という生活の根幹を支える仕事のリアル、その中で感じるやりがいと葛藤、そしてプライベートとの向き合い方まで、飾らない言葉で語ってもらいました。

仕事内容:市民の「足」を、未来へつなぐ
小池さん:「市が策定している地域公共交通計画をもとに、府中市内で持続可能な公共交通とは何かを考え、検討していく仕事です。そのために地元の住民の方や事業者の方と何度も調整を重ねています。具体的な業務としては、市内を走る路線バスやデマンド型乗合タクシーの運行、JR福塩線の利用促進、さらには協和地区で行われている自家用有償旅客運送の支援に関わることなど、多岐にわたります。
公共交通を使ってもらうには、まず地域のニーズを把握することが大事なんです。だから町内会の方や市民の皆さんからご意見を伺っています。
通院や買い物といった日常生活を送るうえで、市民の皆さんの足を守ることは本当に重要な政策なんです」
小池さんが担当しているのは、府中市の地域公共交通に関する施策の検討・実施です。人口減少と高齢化が進むなかで、将来の移動手段に不安を抱える方も年々増えていると言います。机上の計画づくりだけでなく、現場の声を拾い、形にしていく。小池さんの担当業務は市民の暮らしに直結する、責任の大きな仕事です。
バス停近くの道路の幅員を計測する小池さん
仕事のやりがいと苦悩:「トライアンドエラー」の連続
小池さん:「公共交通って、住んでいる地区やその方の状況によって全然ニーズが違うんです。だから、全市民が同じ条件下で利用できる公共交通って、正直かなり難しい。これはきっと他の自治体も悩んでいるところだと思います」
それでも、少しでも地域の役に立つ交通を目指して検討を続ける小池さん。
小池さん:「なかなか進まなくて、きつい言葉を言われることもあります。でも、ちょっとずつでも改善していって、少ない人数でも『良かった』って言ってもらえるなら、やりがいがあるのかなと思っています。
実際に『やってよかった』と実感した出来事もありました。周りの方に協力してもらいデマンド型乗合タクシー『おたっしゃ号』の運行形態を見直したんです。それまで利用が年々減少していたものが、結果として少し回復しました。これは私だけでは実施できなかった取組だったと思いますね。
当然、すべての課題をクリアできたわけじゃないので、更なるブラッシュアップが必要なんです。公共交通は本当にトライアンドエラー。正解はなく、利用者や移動ニーズなど状況は年々変わってくる。高齢化が進めば、そもそも公共交通に乗れない方も出てくる。人が少ないところほど、難しい分野だと思います」
正解のない問いに、それでも向き合い続ける。その原動力は、強い責任感にあります。
小池さん:「見直しをせずとも、市が補助金を出し続ければ今の路線バス等の維持は可能かもしれませんが、昨今の物価高騰の影響で年々補助金は増えています。補助金は市民の皆さんからいただいた税金で、財政も厳しい状況です。だからこそ公共交通を考えないといけないという義務感が湧いてくるんです。市長や市民の皆さんの交通に対する思いを、しっかり汲んでいきたいと思っています」
プライベートとの両立:「気張らず、楽しんだらいい」

小池さん:「もっと遊びに出かけたいんですけど、子どもがまだ小さいので遠出はなかなか。でも、福山や尾道あたりにはちょくちょく連れていきますね。少し前には尾道のみなと祭に行きました」
仕事に真摯に向き合う一方で、プライベートも大切に。休日の楽しみは、子どもとの時間や飲み会だと言います。
小池さん:「わちゃわちゃするのが好きで、飲み会は好きですね。同期や同僚とは定期的に飲みに行きます。たまに仕事の愚痴とかね(笑)。そういう仲間がいるのはいいですよね」
職場は、係長と小池さん2人の係と少人数ながら、同期や周囲とのつながりが日々の支えになっているようです。
最後に、府中市の採用試験を受けるかもしれない若い世代へメッセージをもらいました。
小池さん:「大変なことは、正直いくらでもあります。しんどいなと思うこともある。でも、一人で仕事を抱え込む必要はないんです。必ず周りにサポートしてくれる人がいる。そういう人を頼って、コミュニケーションを取りながらやっていけば、なんとか過ごせると思います。だから、そんなに気張らなくていい。仕事を楽しんだらいいと思いますよ。その結果、それが自分や府中市の成長になるんじゃないかな。私がそうなので」
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更新日:2026年07月14日