令和6年新春座談会「70周年から未来へ」前編
令和6年3月31日に市制施行70周年を迎える府中市。
まちの発展をけん引する皆さんを招き、まちづくりへの思い、そしてこれからの府中市についてお話しいただきました。
新春座談会前編
座談会にご参加いただいた皆さん
府中商工会議所会頭 北川 祐治さん
株式会社北川鉄工所 代表取締役会長兼社長
府中青年会議所副理事長 松本 拓也さん
株式会社亀山 代表取締役
上下町商工会青年部部長 大畑 乃愛さん
HOME kitchen オーナー
府中市長 小野 申人
「70周年から未来へ」府中市の今・将来のために私たちができること
変化の中でも「挑戦」するーこれまでを振り返って
市長 70周年の節目ということで、まずはこの10年を振り返って、印象に残っていることをお伺いします。特にここ数年は、平成30年豪雨、新型コロナウイルス感染症の流行、ロシア・ウクライナ戦争の影響による燃料や資材の高騰など、事業をされている皆さんにとっては、大変苦労の多い時期だったのではないでしょうか。
北川 特にコロナは、世の中を大きく変えましたよね。
自動車産業を中心とする私たちの仕事で言うと、コロナの流行で人の移動がなくなり、自動車の需要が大幅に減りました。さらにその間に、日本が得意とするエンジンに代わって、EV(電気自動車)化の動きが加速。そのような大きな変化があったので、自動車だけに頼らない事業展開が必要になりました。
また、リモートワークの普及も変化の一つですね。これまでと変わり、さまざまな場所で仕事ができるようになりました。ただ、全てリモートで対応できるかというと、意外にそうではなくて。企業というのはチームなので、みんなが寄って議論をすることでいい知恵が出たりするものです。そういう意味では、リモートが普及したからこそ、改めて集まって仕事をすることの大事さも感じました。
時代は変わると言われていますが、ここ数年の変化は本当に大きいと思います。
市長 松本さんは、いかがですか?
松本 2店舗目をオープンしてすぐに、コロナで緊急事態宣言が出てしまい、正直「やっちまったな…」と思いました。でも、お店を休業することは考えていなくて。何か新しいものを生み出せないかなと思い、青年会議所(以下JC)のメンバーと協力して作ったのが、美容室向けのフェイスシールドだったんです。
コロナ禍で一番困るのが、マスクでお客様のお顔や表情が見えず、十分なサービスが提供できないことなんですね。首からぶら下げるタイプのフェイスシールドなので、お客様にはマスクを外してもらい、フェイスシールドを着けたまま髪を切ることができるようになりました。メディアでも取り上げてもらい、北海道や沖縄など、全国の美容院から問い合わせがあったと聞いてます。
北川 そういうことに気付けるのがすごい。普段から視野を広く持っている人には、運が回ってくるんですよね。
松本 大変な中でも、仲間たちと協力して新たなものを作り出すことができたので、コロナ禍はチャンスでもあったと思っています。
また、JCの活動で言うと、姉妹JCの光州(韓国)やセイナヨキ(フィンランド)と、リモートを活用してお互いの事業紹介をするなど、交流を深めることができました。今年度は、国際化の強化にも力を入れていきたいので、ホームステイなどを通じて触れ合う機会を増やし、お互いの地域発展のための事業を展開していきたいと考えています。
市長 大畑さんは、お店を始められてどれくらいですか?
大畑 8年になります。
豪雨災害のときは、府中と上下をつなぐ道が土砂崩れになり、子どもたちの給食の行き来ができなくなってしまったので、お母さん方がお弁当を持たせて登校させていました。そのときに、例えば地域で自炊をするなど、災害時にできることも考えていかなければいけないと感じましたね。
また、コロナの流行は、お弁当屋にとって追い風になるだろうと張り切っていましたが、すぐに小学校が休校になってしまって。見てくれる人もいないので、子ども3人を家に置いて仕事をしていました。でも、子どもだけで家にいると、だんだん遊びがエスカレートしていくんですよね。これは子どもたちのために良くないと思い、思い切って一か月の休業を決めました。地域の方には「いやいや、ここでやらにゃいけんじゃろう」と言われたりもしたんですが、やっぱり家族が一番なので、そこはぐっと我慢して。
休業中は、メニューを一から見直したり、以前から作っていた上下産生姜の加工品のパッケージを完成させたり、自分がやりたかったことを形にしていく期間にしました。今までずっと走りっぱなしで止まることがなかったので、お店のことをしっかり考える時間が持ててよかったです。また、その期間があったから、勢いをつけて再スタートを切ることができたと思っています。
座談会のお話は中編・後編へと続きます。下記リンク先からご覧ください。
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更新日:2024年01月01日