令和6年新春座談会「70周年から未来へ」中編

更新日:2024年01月01日

集合写真

令和6年3月31日に市制施行70周年を迎える府中市。まちの発展をけん引する皆さんを招き、まちづくりへの思い、そしてこれからの府中市についてお話しいただきました。

新春座談会中編

「70周年から未来へ」府中市の今・将来のために私たちができること

いろんな思いがまちを創るーまちづくりへの取り組み

市長 ここからは、府中市のまちづくりについて、皆さんの取り組みや思いをお伺いします。

賑わいづくり

市長 松本さん、備後国府まつりを通じた賑わいづくりについて、大事に思うことはありますか?

松本拓也さん

松本 そうですね。昨年の祭りにも非常に多くの方が来てくださいました。盆踊りなどには、市民の皆さんにも参加いただき、まさに地域でつくるお祭りとして、楽しんでいただけたのではないかと思います。地域の人が「観に行く」だけでなく、「参加できる」ことが、備後国府まつりの魅力です。今年度は、この魅力を子どもたちに伝えていきたいと思っています。特に、総太鼓でのかっこいい姿を見てほしいですね。私が子どもの頃の祭りは、とても活気があり、大人が全力で楽しんでいた印象があります。今の子どもたちの心の中にも、祭りの楽しい思い出が残り続け、大人になっても参加したいと思ってもらいたいです。そんな郷土愛にもつながるような祭りを目指しています。

市長 余談ですが、府中市の夏祭りには元々花火がなかったんですが、子どもたちを喜ばせたいという思いで、会頭がJCの新入会員の年に始められたんですよ。自分たちで市販の花火を買って、河川敷で上げたんですよね。

 

北川 そうそう。一人3万円、7人のポケットマネーで、府中市中の花火を買って。あのときは子どもが100人ぐらい来て、すごく喜んでくれましたね。

 

市長 そうでしたね。さらに次の年に、たる募金で資金を集めたりして、JCとして打ち上げ花火を上げたんですよね。若い人たちが集まってまちを盛り上げていく、これがJCの良さなのかなと感じたのを覚えていますね。

大畑さん 市長

大畑 それ、面白いですね!上下も毎年8月に花火大会が開催されていたんですが、打ち上げ場所が使えなくなったため、昨年は花火がありませんでした。夏祭り自体は商店街で開催し賑わいましたが、やっぱり花火を楽しみに来てくださる方も多いので、どうにかしたいと思っていたところなんです。今のお話のように、できる形でやってみればいいんですね。子どもたちや周りを巻き込みながら、できることからチャレンジし、それが火種となり広がっていけばいいなと感じました。

市長 会頭は、まちの賑わい創出のために、何が必要だと思われますか?

北川祐治さん

北川 元気なまちというのは、人通りがあったり、商店街が賑わっていたりしていて、やはり最後は人なんだなあと思うんですよね。イベントは大事だし、みんなよく頑張ってくれていると感じます。ただ、イベントだけでまちを活性化するのは難しいので、何かあったら集まれる場所を作るといいかもしれないですね。今は、天満屋2階の「i-coreFUCHU」がありますが、「何かあるわけじゃないけど行ってみよう」、「あそこに行けば誰かに会えるかも」、そんなふうに、生活の中でのワクワクを感じることができる場所があるといいと思います。私や市長くらいの年齢になると、居酒屋さんに行けば、大体誰かに会えますが(笑)。

府中市で言うと、「恋しき」もそんな場所であってほしいですね。お祭り通りとあわせて、もう一度活用できればと思っています。

市長 i-coreFUCHUをオープンしてから、利用者同士、マルシェの出店者同士など、新たな人のつながりができつつあります。再来年には、いよいよ市民プールも完成しますので、日常的に人が集える賑わいの拠点となるよう、整備を進めていきたいと思っています。

大畑乃愛さん

大畑 上下で言うと、人工芝グラウンドやふらっと上下など、幅広い世代が利用できる施設ができてすごくありがたいです。子どもたちも利用させてもらっています。特に人工芝グラウンドは、サッカーの試合などで、県内外のたくさんの方が利用されていますよね。

そこで今、せっかく来てくださる皆さんをおもてなしするため、キッチンカーや屋台などで上下のものを提供できないか、検討しています。少ない人数で運営できるかなどの課題はありますが、上下の魅力をアピールしていくためにも、ぜひ形にしたいと思っています。

北川 せっかくスポーツで外から人が来てくれているので、さらに宿泊ができるようになればいいですね。そこから食事、観光につなげていくといいと思います。

 

市長 そうですね。まだ部屋数は少ないですが、現在、スポーツ合宿などで利用できるように上下の市営住宅を改修しています。合宿だけでなく、外から来られた方のお試し住宅としても使っていただけるので、青年部の方とも一緒に活用方法を考えていけたらと考えています。

 

北川 ホームステイなんかも考えてもいいかもしれないですね。合宿で来た人たちのための宿泊施設はもちろん必要ですが、せっかく来てくれた方たちを上下のまち自体で受け入れるというのも大事だと思います。

人・つながり

市長 松本さんは、地域でもさまざまな取り組みをされているとか。

 

松本 今取り組んでるのが、子ども食堂です。知り合いにお願いして、うちの店舗の駐車場でカレーを販売してもらっています。カレーは一食300円。大人が買ったら、子どもが無料で食べられる「未来チケット」と交換できるんです。子どもたちにお腹いっぱい食べてもらいたい、ひいてはお店の周知にもつなげたいという思いで始めたもので、来てくれる子どもたちもどんどん増えています。

あとは、若い人の出会いの場になればと思い、街コンも開催しています。先月、2回目を開催しましたが、毎回2組くらいはペアになっているんですよ。そこで出会った皆さんが将来府中市に住んでくれたら、さらにうれしいことですよね。

 

市長 府中市は、以前より子育てしやすいまちを目指して、取り組みを進めています。子育てや教育の環境について、ご意見をお聞かせください。

 

松本 子育てをしていて思うのは、府中市は本当に支援が手厚くてありがたいということです。ポムポムやi-coreFUCHUなど、子どもが安心安全に遊べる場所があって、無料で利用できますよね。特にポムポムは、福山など市外の方の利用も多いと聞いています。

 

子育てしやすいまちの土台ができ、これは周りからも評価をされつつあると思います。

さらにもっと先の理想を言えば、「自分たちのまちは自分たちが住みやすくする」、そうやってまちをあげて、支援ができたらいいと思います。その本気度が伝われば、「そんなまちなら住んでみようかな」と人を呼んでくることにつながるのではないでしょうか。

小野市長

市長 行政の支援はもちろん必要だと思いますが、それ以上に、市民の皆さんも一緒になり、みんなでまちのことを考えることが大切なのかもしれないですね。

 

北川 まちづくりは市や会議所がやることだというよりも、住んでいる人がまちをどうしていきたいかという議論ができることが大事。人口が少ないからこそ、できることがあると思いますよ。

産業の発展

市長 大畑さんは、地元・上下町で新たにお弁当屋を創業されたんですよね。

 

大畑 はい。私が上下に帰ってきた15年前は、まだまだまちに活気があって、ひな祭りの時期には観光バスなんかも来ていました。その様子を見て、「上下ってまだまだいけるじゃん!」と思ったのがきっかけで、いつかは上下で飲食店をしてみたいと思うようになったんです。子育てが落ち着いてきた頃に、思い切ってお店を始めました。

 

市長 空き店舗を活用されたとか。

 

大畑 はい。商店街の上下の一等地が売りにでていることを知って、「ここしかない!」と思って購入しました。半壊状態の空き店舗だったので、リフォームにはかなり費用がかかりましたが、上下では何年も新規のお店がオープンしていなかったみたいで、地域の皆さんがすごく協力してくださって。厨房機器も皆さんで声をかけあって探していただき、中古のものを譲ってもらいました。

建物自体が広いので、今はネイルとまつ毛エクステをしているママ友2人に、2階にテナントとして入ってもらっています。3人が連携することで、若い方の利用も増え、まちを見て帰ってくれる流れもできつつあります。

大畑乃愛さん3

市長 第二の大畑さんを目指すような人のためには、どんな支援があればいいと思いますか?

 

大畑 創業の際には、上下町商工会に相談して、新規事業の補助金を活用させてもらいました。他にも、持続化補助金や新規事業開拓、販路開拓などに関しても補助があり、支援は手厚いと思うので、すごくありがたいですね。補助金については、自分が使えるものはないか、必ず確認をするようにしています。

市長 松本さんは、コロナ禍で新しい商品を開発をされたというお話がありました。新規の事業にも力を入れておられるんですか?

 

松本 そうですね。とにかく雇用を増やしたいという思いで取り組んでいます。美容師は、昔からブラック企業のイメージが強いんですよね。私たちの時代でも、朝早く出勤して、営業後は終電まで練習。今では考えられませんが、いまだにそんなイメージがあるので、美容師を目指す人が減ってきています。そんな状況から何かを変えたいと思い始めたのが、スタッフの趣味や特技を仕事にしてもらうことです。例えば、ファッションやデザインが好きなスタッフが服のデザインをしたり。たくさんではないですが、自分たちで縫って商品化して、i-coreFUCHUで出店したり、店舗でお披露目会を開催したりしています。

 

北川 発想が素晴らしいですね。

松本拓也さん

松本 お客様から、ファッションの悩みをお伺いすることもあるので、ヘアスタイルに合う衣装を提案するなど、新たなビジネスにもつながっています。メインは美容師ですが、可能な範囲で自分の好きなことを仕事にする、そんな働き方も取り入れながら、雇用を増やしていきたいと考えています。

市長 ものづくりということで、会頭には大局的にお話を伺います。

今後、府中市の産業が発展するためには、どんなことが必要でしょうか。

 

北川 府中市の強みである製造業も、給与水準が高い事業へと変わっていくために、デザインや機械の設計など、付加価値を高めていく事業に時間がかかってもシフトしていく必要があると考えています。100年企業の皆さんも時代ごとに事業を変えながら続いたように、府中市は昔から皆さん苦労してやってこられた歴史のあるところです。そのDNAを大事にしながら、世代が変わっても府中市が輝いていけるよう、より価値の高い産業に変わっていきたいですね。そして、行政もそちらに重きを置き、取り組もうとするところへの支援をしていただけたらと思います。

もう一つは、まさに2人のような若い実業家の存在ですね。新たなマーケットを開拓したり、新たな価値を生み出したりすることは、本当に素晴らしいことです。行政も会議所もできるだけサポートしていくし、そういう情報を出していくことで「自分もやってみようかな」という人が増えていくことが大事なのかなと思います。情報を伝えていくのも大事な役割だと、今日感じましたね。

座談会のお話は後編に続きます。下記リンク先からご覧ください。

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