令和6年新春座談会「70周年から未来へ」後編
令和6年3月31日に市制施行70周年を迎える府中市。まちの発展をけん引する皆さんを招き、まちづくりへの思い、そしてこれからの府中市についてお話しいただきました。
新春座談会後編
「70周年から未来へ」府中市の今・将来のために私たちができること
できることは身近にある
大畑 上下町商工会青年部の50周年記念式典で使うため、部員さんの会社を回って、皆さんが働く姿を撮影しました。そこで、初めて皆さんと仕事の話をしっかりとさせていただきましたが、同じ上下にいても、その会社がどんなものを作られているのか全く知らなくて。社長さんに向かって「こんなにすごいことをされていたんですね!」と、すごく失礼なことを言ってしまいました。
さらにお話を聞いていると、皆さん同じように働き手がいなくて困っておられたんですね。人がいないので、機械も止まったままで。それを知ったときに、素晴らしいものを作られているのに、知られていないこと、働き手がいないことは、本当にもったいないし、上下のいいものを私たちがもっと伝えていくべきだと感じたんです。例えば、地元の子どもたちが企業に見学に行けば、その中の誰かが、興味を持ってやってみたいと思ってくれるかもしれないし、子どもたちだけでなく、IターンやUターン、海外の方に向けた情報発信もできると思います。
まちの仕事、そしてまちの人の思いを次につなげていくために、私ができることを一生懸命やっていきたいと考えています。そして、行政には、そういった情報発信の取り組みも支援をしていただけるとうれしいです。
松本 今年、JCとしては、部活動の地域移行化に注目していて、教育委員会と連携をし、地域で何か取り組めないか考えています。学校だけでなく少年野球チームもですが、人口減少や先生の働き方改革で、希望する部活動ができなくなる環境がもうすぐそこに来ているんですよね。そうすると、私立や市外の学校を選ぶというケースもあると思っていて。スポーツに限ったことではないですが、学びの格差が大きくなってしまうことは課題です。子どもたちの学びや挑戦の場を確保するためにも、真剣に取り組んでいきたいと思っています。
市長 お店として、やっていきたいことはありますか?
松本 美容師は働き手や後継者不足が課題で、業界として底上げをしていく必要があると感じています。どの業界も同じかもしれませんが、後継ぎがいなくて店をたたむケースも多く、店舗も減ってきています。これはある意味仕方ないと思うんですね。
私は、逆にこれをチャンスととらえ、後継者のいない店舗を活用できないかと考えています。例えば、私のところで後継者を育てて、そういった店舗に当てはめていく。そうすると、通っていた美容室がなくなって困るお客様も減るし、雇用も生まれます。地域のものを活用して、そんな新たな取り組みにもチャレンジしていきたいですね。
そして、「府中の美容室と言えば、亀山」そんなふうに地域に必要とされるお店を目指し、引き続きイベントなどにも協力しながら、地域活性化のお手伝いをしていきたいです。
北川 自動車産業は今、世界的にとても変調です。現在、日本での自動車販売台数は、約420万台で、中国は2,680万台。昨年の東京モーターショーには、アメリカ勢は出てこなかったですし、ヨーロッパも2社ぐらいです。
日本全体で見ても、航空機やロケット、半導体や医療など、産業そのものが変わっていく大きな流れがありますよね。私たちもBtoBでお役に立てるようなものを供給することは変わらないけれども、サポートを通してお客様を変えていく、変えていかなければいけないと考えています。
もう一つは、リーダーの育成です。仕事をする上で、リーダーが前を向いていて積極的なチームは、全体的に成長します。人材育成の全体のレベルを高めることはもちろんですが、中でも核となり、まわりを引っ張っていくことができる人材を育てていきたいですね。
これは、ある意味まちづくりでも同じなのかもしれません。2人のような若いリーダーが育っていくことはまちの未来にとってすごくいいことだし、リーダーとなる人に、一層活躍してもらう場を作る、そんなメリハリがある人材育成をしていく方が効果が大きいのではないかと考えます。もちろん、小野市長には、そのトップにいていただく必要があるので、引き続き頑張っていただきたいと思います。
座談会を終えて
今年の座談会は、府中市のまちづくりのけん引役を担うお三方にお集まりいただき、大変興味深いお話を聞くことができました。特に、北川会頭が言われたように、府中市で次々チャレンジをしているお二人は、「これから」を担う頼もしい人材。お話を聞いて、ますます期待が高まりました。
府中市が目指すまちの将来像では、「幸せ実感」をうたっています。こうした新たな挑戦も応援しながら、安心して暮らせる環境を整備し、「住んでいてよかった、帰ってきてよかった」と思っていただけるまちとすることが、私たち行政の務めです。この70周年を一つの節目として、さらなるチャレンジと、一層の努力をして参りたいと思っています。
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更新日:2024年01月01日