広報ふちゅう令和4年7月1日号 インタビュー全編
府中市の農業を未来へつなぐ
広報ふちゅう令和4年7月号の特集では、府中市で活躍する農業従事者の姿を通じて、持続可能な農業・農村へ向けた取り組みを紹介しています。
紙面では掲載しきれなかった、林新二さん、谷脇正明さんへのインタビューの全編を紹介します。
農業を仕事に
今年4月、JA全農ひろしまの新規就農者向け研修農場「チャレンジファーム広島・上下農場」1期生の林新二さんが、2年間の研修を終えて上下町で就農し、アスパラガスなどを栽培しています。また、第2期研修生の谷脇正明さんは、現在就農に向けて研修に取り組んでいます。
次世代の農業を担う、2人の若き農業者にお話を伺いました。
林 新二さん
上下七色農園経営者
谷脇 正明さん
チャレンジファーム広島・上下農場第2期研修生
チャレンジファームへの応募のきっかけ
林さん
高校生のときからアルバイトをしていた地元・上下町のスーパーで、13~14年働いていました。青果の販売などを担当していたのですが、仕事で試食をした地元の野菜や果物が美味しくて、農業に興味を持ちました。農協の職員の方に相談をしていたタイミングで、新たにチャレンジファームが開設されることを聞き、参加しようと思いました。50代・60代で仕事が落ち着いたら農業ができたらいいな、なんて考えていたのですが、いい機会だと思い挑戦しました。
谷脇さん
僕は生まれも育ちも福山市です。地元で就職し、メーカーや食品関係の会社に勤めていたこともあります。もともと祖父母が農業をしていたので、昔から興味があり、農業関係の仕事に就きたいと思っていました。たまたま参加した、農協の新規就農者募集のオンラインセミナーで、全農の沖田さんや、JA庄原営農センターの横山センター長に出会い、相談をしたことがきっかけで参加することになりました。
研修について
林さん
チャレンジファーム1期生として研修を受けましたが、マルチの張り方や支柱の立て方、苗の植え方などの基礎を学びました。農業のことは全く知らなかったので、野菜は種をまいて水をやっていればできるような感覚でしたが、農薬や肥料、水の管理などすごく大変だということが分かりました。ただ、楽しく作業ができたので、自分には合っているんだと思います。
また、地域の農家さんをめぐり、農業のノウハウを教えてもらうこともあります。農家ごとに作業のやり方が異なり、とても面白いです。
谷脇さん
月に1回、全農の研修で基礎知識を学んでいます。試験圃場の管理をしながら、実践的な研修も受けることができます。チャレンジファームは、給料をいただきながら学べるので、ゼロから農業を始めるにはすごくいい環境だと思います。
府中市で農業をする魅力
林さん
農協や全農の職員の方が丁寧に指導をしてくれますし、甲奴郡加工用野菜部会という、困ったときにすぐに相談ができる場所もあります。
また、生産から販売まである程度モデル化されているので、販売経路も確保されています。共同選果場もあり、1人では大変な収穫や選別の手間も減らすことができます。ハウスの建設などに対する市の補助制度もあり、就農へのバックアップ体制が整っているのも魅力だと思います。
谷脇さん
北は北海道から南は佐賀まで、各地の就農制度を見てきましたが、府中市へ決めた理由は人です。新規就農をしたいと相談したとき、市役所、全農、農協など、いろんな人が集まって、「しんどいよ、大丈夫?でも本気なら全力でバックアップするよ。」と声を掛けてくれました。こんな場所は他にはありませんでした。人を育てていこうという熱意が伝わり、ここなら頑張れそうだと思いました。
また、林さんは同世代で相談もしやすく、心強いです。こういう出会いがあったのも本当によかったです。
府中市のように、就農への入口を設け、支援してくれる制度があるのはとてもありがたいです。実は、アスパラの収穫ができるのは2年目からで、それだけで生計を立てるのが難しいんです。そのためキャベツを組み合わせて栽培するのですが、収入の少ないときにも生活をサポートしてくれるような補助制度もあり、すごく恵まれた環境だなと思っています。
就農への決意
林さん
農業は大変な職業ですが、生きていくのに欠かせない食という部分に携わることができますし、また頑張った分、自分に返ってくるという魅力があります。
主婦の方が旦那さんや子どもに、おじいちゃんやおばあちゃんが子どもや孫に食べさせたいと思えるような、とにかく美味しい野菜を作りたいです。
また、府中市はアスパラの産地化を目指しています。谷脇さんや、一生懸命サポートをしてくれる皆さんと連携を取りながら、産地化の力になれるよう頑張りたいです。
谷脇さん
就農はこれからですが、僕の姿を見て、チャレンジしようと思ってもらえるよう、しっかり頑張りたいです。また、アスパラの栽培は、小柄な僕でもできます。男性だけでなく、農業に興味を持つ女性にもぜひ挑戦してほしいです。
農業は厳しいことも多いですが、困ったときには相談できる環境がありますし、地元の人だけではなく、僕のように市外の人間も歓迎してくれます。市外から来ても、何も持っていなくても大丈夫です。応援してくれている上下という地域にも恩返ししたいという気持ちです。
お2人のようなチャレンジ精神あふれる人材を発掘し、全力でサポートする取り組みをさらに広げていきます。
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更新日:2022年07月01日